大会長からの挨拶
昨今、新型コロナウイルス感染症の影響により様々な分野で学会のオンライン化が進み、本学会でも2年にわたり完全オンラインにて学術大会を行いました。昨年度より徐々に対面開催を再開する学会が増えつつあり、数年ぶりの対面参加にて直接交流する重要性をあらためて実感された方も多いと存じます。一方で、対面開催が問題なく実施できる状況であっても、自宅や勤務先から気軽に参加できるリモート参加の利便性は捨て難いものがあります。そこで本大会も、対面・オンラインの両方を取り入れたハイブリッド形式といたしました。個々人の生活スタイルに合わせた食生活や運動・睡眠習慣が重要であると同様に、じっくり対面で議論したい派、気軽に最新情報を得たい派、出張せず短時間だけ参加したい派など、個々人の事情にあわせた参加形式を選択できることが重要と考えております。ポスターセッションや交流会など対面にて直接議論を交わす場を設定するとともに、オンライン参加者同士やオンライン・対面参加者間でも活発に意見交換ができるよう準備をしております。
学術大会前日は、同じ場所にて10周年シンポジウムを開催し、夜には原爆ドーム側のおりづるタワーで懇親会を予定しております。この地に産・官・学の他分野にわたる機関・組織の第一線で活躍する研究者が集い、最新の研究成果を発表するとともに、時間栄養学のさらなる可能性・発展についての情報交換を行います。宮島にある厳島神社の大鳥居(1875年建立)の保存修理工事が約3年にわたって行われてきましたが、ついに完了し、その全景をご覧いただくことが可能となりました。例年8月末は残暑が厳しい時期ですが、歴史情緒溢れ、お好み焼きや牡蠣、レモンなど多様な食文化を有し、野球やサッカーなどスポーツが盛んな広島県に、皆さまぜひお越しください。
また時間栄養学分野の発展のためには、研究者だけでなく現場でご活躍の方にも参加いただき、活発な意見交換ができればと考えております。今年度から、学会内に託児所の設置、また学生の発表者を対象に、トラベルアワードを設けることにいたしました。対面および遠隔で皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
新型コロナウイルス感染症の今後の状況が不透明であり、急遽オンライン開催のみになる可能性や、記念パーティーを中止する可能性がありますことを、ご理解いただければ幸いです。
広島大学大学院人間社会科学研究科 准教授
緒形ひとみ
10周年記念シンポジウム 企画委員長からの挨拶
日本時間栄養学会の会員の皆様方はお元気でご活躍のことと拝察いたします。
この度、日本時間栄養学会の発足10周年を記念してシンポジウムを企画しました。時間栄養学は基礎研究からヒトへの応用研究へと発展し、健康増進や疾病予防に役立つだけでなく、時間栄養にマッチした商品開発にも寄与しています。本学会の発足当初より、時間栄養学会は研究対象を食・栄養領域のみならず、運動・スポーツ、休息・睡眠分野まで幅広くカバーし、時間軸の健康科学を目指してきました。この10年余りに、会員の皆様の協力のもと学会の社会的認知度も増大し、多くの成果を収めてまいりました。しかしながら、まだまだエビデンスが十分でなかったり、行政に対する働きかけが不十分であったり、商品開発の現場に十分に生かされていなかったり、課題もまだまだたくさんあります。
このような状況下、それぞれの分野で活躍されている、江崎 禎英先生(政策・行政)、阿部 啓子先生(食品開発)、中村 丁次先生(栄養士教育)、征矢 英昭先生(健康運動)の4名の先生方を招待し、シンポジウムを開催することで会員の皆様の今後の研究・社会活動の一助になることを期待しております。
10周年記念シンポジウム 企画委員長
広島大学 医系科学研究科 特任教授
柴田重信